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1円玉は世界一周を夢見ていた

 

どうにかして

世界を一周できないかな。

 

 

できそうな気がして仕方ない1円玉は、

お財布の中で夢を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この人がたとえば、

ここでジュースを買えば、お店に移動できるでしょ。

 

 

んで

 

 

コーヒーを買ったサラリーマンのお財布に移動して、

その人が

かいがいしゅっちょう

に行くじゃない?

 

 

 

 

 

 

お財布から出ないまま、日本に帰って来ちゃう。

あはは。

 

 

 

じゃあー

 

 

 

そのサラリーマンが、アメリカ人となかよくなって

日本のお金としてあげる。

 

そして、アメリカ人のお財布に移動して・・・

 

 

いやいや

 

それ、記念になっちゃう

 

 

記念になってはだめだよ!

それ以上、移動できなくなるかもしれない・・・

 

 

 

 

ちょっと待てよ?

 

 

 

 

外国のどこかで落としてもらえばいいんじゃないかな。

 

拾ったその国の人が・・・

 

 

 

 

それも

記念になる確率高いか。

 

 

 

んー

 

 

 

国際線の飛行場にある

なんか小銭あったら入れる募金箱はー

・・・日本から出れないだけだし

 

 

 

じゃぁぁぁー

 

 

もうさ、海に落としてもらえば!

・・・沈むかぁ

 

 

 

あ!

 

 

 

 

 

世界一周する、船乗りのポケットに

入ればいいんじゃない?

 

 

 

するっと

 

 

 

なんとかして

 

 

 

 

 

 

 

・・・うん

いい!

 

 

船乗りの人って見抜くには

うんとー

 

どうしたら入れるのかなー

 

 

 

1円玉は

夢中で夢見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

さっきのお財布の持ち主は、橋の上で焼きそばパンをたべていた。

 

 

1円玉は

コンビニのレジの中に移動していた。

 

 

 

 

なんだ

 

 

 

かんだ

 

 

 

 

1円玉の

世界一周はすぐそこだった。

 

 

 

 

 

ある地球のお話 - -
森にははちみつが降っている

 

森にそわそわと雨の音がしはじめたとき、一筋だけ、

金色のあまい雨が降っているところがある。

 

 

サー

 

サー

 

 

雨らしい音がする。

きょうはどのへんだろう?

 

ぬるいミルクティーと、生きモノの形をしたクッキーをかじって

窓の外をちらっと見た。見えないのを知っていても。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日、散歩をしていた。

その雨は、そこだけ細く、金色に光っていた。

 

一度だけ、明るい時間に見たことがある。

人差し指が、あまくなった。

 

傘を少しずらして

口をあけて、舌を出した。

 

 

あまぁい。

 

あまいなぁぁぁ。

 

 

雨が少し強くなったら、消えてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

森以外でも、降っているのかな。

 

きょうはどこだろう?

どこの国?

 

誰に知られなくても、

森に金色の、はちみつが、降っているところがあるんだよ。

 

 

 

 

 

ある地球のお話 - -
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