1円玉は世界一周を夢見ていた
2019.08.23 Friday 15:00
どうにかして
世界を一周できないかな。
できそうな気がして仕方ない1円玉は、
お財布の中で夢を見ていた。
この人がたとえば、
ここでジュースを買えば、お店に移動できるでしょ。
んで
コーヒーを買ったサラリーマンのお財布に移動して、
その人が
かいがいしゅっちょう
に行くじゃない?
あ
あ
お財布から出ないまま、日本に帰って来ちゃう。
あはは。
じゃあー
そのサラリーマンが、アメリカ人となかよくなって
日本のお金としてあげる。
そして、アメリカ人のお財布に移動して・・・
いやいや
それ、記念になっちゃう
記念になってはだめだよ!
それ以上、移動できなくなるかもしれない・・・
ちょっと待てよ?
外国のどこかで落としてもらえばいいんじゃないかな。
拾ったその国の人が・・・
あ
それも
記念になる確率高いか。
んー
国際線の飛行場にある
なんか小銭あったら入れる募金箱はー
・・・日本から出れないだけだし
じゃぁぁぁー
もうさ、海に落としてもらえば!
・・・沈むかぁ
あ!
世界一周する、船乗りのポケットに
入ればいいんじゃない?
するっと
なんとかして
・・・うん
いい!
船乗りの人って見抜くには
うんとー
どうしたら入れるのかなー
1円玉は
夢中で夢見ていた。
さっきのお財布の持ち主は、橋の上で焼きそばパンをたべていた。
1円玉は
コンビニのレジの中に移動していた。
なんだ
かんだ
1円玉の
世界一周はすぐそこだった。
ある地球のお話 - -